久しぶりに雛人形を出してみたら、
「えっ、これカビ?」
「顔に黒っぽい汚れがある……」
「なんだかカビ臭い気もする」
と気づくことがありますよね。
大切にしまっていた雛人形だからこそ、そんな状態を見つけると焦ってしまいます。
「とりあえず拭けば取れるかな?」
「アルコールで消毒したほうがいい?」
と思うかもしれません。
でも、ここはちょっと注意が必要です。
雛人形は、顔や衣裳、髪、金具などにとても繊細な素材が使われています。
そのため、カビやシミを見つけても、水やアルコール、洗剤などで自己処理せず、まず購入店や人形修理の専門店へ相談するのが安心です。
人形メーカーの吉徳でも、カビが発生した場合は自分で処理せず、購入した人形店や人形修理の専門店へ相談するよう案内しています。
「じゃあ、家では何もできないの?」
と思いますよね。
そんなことはありません。
家庭でできるのは、
- ホコリをやさしく払う
- 湿気の少ない場所で保管する
- 人形専用の防虫剤を正しく使う
- 晴れて乾燥した日に陰干しする
- 収納場所をときどき換気する
といった、カビを増やさないためのお手入れや予防です。
この記事では、
「カビが生えたらどうする?」
「顔や髪は触っても大丈夫?」
「カビ臭いときは?」
「どう保管すればカビを防げる?」
といった疑問について、できるだけ分かりやすく紹介していきます。
雛人形にカビが生えたら自分で取ってもいい?
雛人形にカビを見つけると、
「少しくらいなら、自分で拭けば取れるんじゃない?」
と思ってしまいますよね。
ですが、カビが生えた部分を家庭でこすったり、薬剤をつけたりするのは避けたほうが安心です。
雛人形には、
- 顔の胡粉(ごふん:人形の顔などに使われる白い仕上げ材)
- 衣裳の染色や金銀糸
- 接着剤
- 金具
- 髪
など、いろいろな素材が使われています。
見た目には丈夫そうでも、水分や薬剤、摩擦によって変色したり、表面がはがれたりすることがあります。
人形メーカーの吉徳でも、カビが発生した場合は自分で処理せず、購入店や人形修理の専門店へ相談するよう案内しています。
なので、
「カビを見つけたら、まず相談する」
と考えておくと安心です。
相談するときは、カビをこすったり触ったりせず、まず写真を撮っておくのがおすすめです。
「顔なのか」
「衣裳なのか」
「髪の近くなのか」
など、どの部分にカビや変色があるのか分かるように撮っておけば、お店にも状態を説明しやすくなります。
雛人形の顔にシミや汚れがある場合は?
雛人形の顔にシミや汚れを見つけると、
「ここだけ綿棒でちょっと拭けば……」
と思うかもしれません。
でも、顔は特にデリケートな部分です。
- 水拭きする
- ウェットティッシュで拭く
- アルコールを使う
- 消しゴムでこする
といったことは避けたほうが安心です。
眉や目、口元なども細かく仕上げられているため、ほんの少しの摩擦や水分でも傷めることがあります。
吉徳でも、雛人形を飾ったりしまったりするときは、顔や手、金具に直接触れないよう案内しています。
「じゃあ普段のお手入れはどうするの?」
というと、基本はホコリをやさしく払う程度で大丈夫です。
羽根ばたきや柔らかい小筆などを使って、表面のホコリをそっと払います。
雛人形を扱うときは、手の脂や汚れが付かないよう、薄手の手袋を使うとより安心です。
すでに顔にシミやカビがある場合は、無理に落とそうとせず、購入した人形店や修理専門店へ相談してください。
雛人形の髪が乱れている場合は?
雛人形を出したときに、
「髪が少し乱れている」
「何本か飛び出している」
ということもあります。
このときも、
「飛び出している髪だけ切ってしまおう」
「濡らして整えれば戻るかな?」
と、自分で手を加えるのは避けたほうがいいでしょう。
雛人形の髪型は細かく結い上げられています。
一部分だけ直そうとして、かえって全体の形が崩れてしまうこともあります。
気になる場合は、髪を切ったり濡らしたりせず、購入した人形店や修理専門店へ相談するのが安心です。
雛人形がカビ臭いときはどうする?
箱を開けた瞬間に、
「なんだかカビ臭い……」
と感じることもありますよね。
ただ、臭いがするだけで、必ずカビが生えているとは限りません。
まずは人形や箱の中を見て、目で分かるカビや変色がないか確認してみてください。
もしカビが見えている場合は、
「とりあえず陰干ししておけば大丈夫かな」
と済ませず、購入店や専門店へ相談しましょう。
一方で、見たところカビはなく、
「長くしまっていたから、ちょっとこもった臭いがする」
という程度であれば、晴れて乾燥した日に風を通す方法があります。
吉徳では、秋の晴れた乾燥した日に、半日程度陰干しする方法も紹介しています。
ただし、湿度の高い日に無理に出す必要はありません。
そして、雛人形を直射日光に長時間当てるのは避けましょう。
色あせや素材の劣化につながることがあります。
また、
- エタノールを吹きかける
- アルコールを含ませた布で拭く
- 重曹を直接使う
- 消臭スプレーを吹きかける
といった方法もおすすめできません。
「臭いがなかなか取れない」
「やっぱりカビっぽい」
という場合は、無理に自分で何とかしようとせず、専門店に相談してくださいね。
家庭でできる雛人形のお手入れは?
ここまで読むと、
「雛人形って、結局あまり触らないほうがいいのね」
と思うかもしれません。
そうなんです。
雛人形は、汚れてから落とすことを考えるよりも、普段から汚れや湿気をためないようにすることが大切です。
家庭でできる基本のお手入れは、
「強く触らず、ホコリを軽く払う」
ことです。
羽根ばたきや柔らかい小筆などを使って、表面のホコリをやさしく落としましょう。
顔や金具などは、できるだけ直接触らないようにします。
家庭でできることと専門店へ相談したいこと
| 家庭でできること | 専門店へ相談したいこと |
|---|---|
| 羽根ばたきなどで軽くホコリを払う | カビが生えている |
| 柔らかい小筆で細かい部分のホコリを払う | 顔にシミや汚れがある |
| 収納場所の湿気を避ける | 髪型が大きく崩れている |
| 人形専用防虫剤を説明書どおりに使う | 衣裳にカビや変色がある |
| 晴れた乾燥した日に陰干しする | 強いカビ臭が取れない |
「これくらいなら自分で直してもいいのかな?」
と迷ったときは、無理に触らず相談するほうが安心です。
大切な雛人形ですから、無理をしないのが一番ですね。
雛人形のカビを防ぐ保管方法
雛人形って、飾っている期間より、しまっている期間のほうがずっと長いですよね。
だからこそ、カビを防ぐにはどこに、どうやって保管するかがとても大切です。
湿気の多い場所を避ける
まず気をつけたいのが湿気です。
カビは湿気の多い環境で発生しやすくなります。
押し入れに収納する場合は、床に近い下段よりも、比較的湿気の少ない上段や天袋などが向いています。
また、
- 窓の近く
- 水回りの近く
- 結露しやすい外壁側
なども、湿気がたまりやすいことがあります。
「押し入れに入っていればどこでも同じ」
というわけではないんですね。
ただし、雛人形は乾燥しすぎる環境もよくありません。
極端な湿気や乾燥を避け、なるべく環境の変化が少ない場所を選びましょう。
大きな寒暖差のある場所も避ける
実は、湿気だけでなく寒暖差にも気をつけたいところです。
温度が大きく変わる場所では、人形に使われている木や胡粉などに負担がかかることがあります。
直射日光が当たる場所や、季節によって温度が大きく変わる場所は避けたほうが安心です。
「湿気さえ少なければOK」
ではなく、
湿気・乾燥・温度変化の少ない場所
を意識するといいですね。
荷物を詰め込みすぎない
収納スペースに雛人形の箱を入れたあと、
その周りに荷物をぎゅうぎゅうに詰め込んでいませんか?
荷物を詰め込みすぎると、空気がこもりやすくなります。
できれば箱の周りには少し余裕をもたせて、空気が動きやすい状態にしておきましょう。
収納場所そのものも、ときどき扉を開けて換気しておくと安心です。
人形専用の防虫剤を使う
「防虫剤も入れたほうがいいの?」
と気になりますよね。
防虫剤を使う場合は、人形専用と表示されたものを選びましょう。
吉徳では、人形専用の防虫剤を一種類に限って使用するよう案内しています。
いくつか種類を混ぜたほうが効きそうな気もしますが、複数種類の防虫剤を一緒に使うのは避けたほうが安心です。
また、
「家にある衣類用の防虫剤でいいよね」
とも限りません。
雛人形には、衣裳の金銀糸や金具など、いろいろな素材が使われています。
必ず人形用であることを確認し、商品の説明書に書かれた量を守って使ってください。
晴れた日に陰干しして状態を確認する
雛人形は、次のひな祭りまでずっと箱の中に入れっぱなしにするより、ときどき状態を確認できると安心です。
吉徳では、秋の晴れた乾燥した日に陰干しする方法も紹介しています。
「ひな祭りでもないのに出すの?」
と思うかもしれませんが、完全に飾り直す必要はありません。
収納中に、
「湿気ていないかな?」
「変色していないかな?」
「虫食いはないかな?」
と確認するだけでも違います。
ただし、陰干しするときは直射日光には当てないようにしてください。
収納場所の扉を開けて換気することと、人形そのものを陰干しすることは別なので、その点も分けて考えておくと分かりやすいですね。
雛人形をしまう前に気をつけたいこと
ひな祭りが終わると、
「そろそろ片付けなきゃ」
となりますよね。
でも、できれば雨の日や湿度の高い日に急いでしまうより、晴れて湿度の低い日を選ぶのがおすすめです。
しまう前には、
- 羽根ばたきなどでホコリを落とす
- 顔や衣裳をできるだけ素手で触らない
- 人形専用の防虫剤を一種類、説明書どおりに使う
- 湿気や大きな寒暖差の少ない場所に収納する
- 箱の周りに荷物を詰め込みすぎない
といったことを意識してみてください。
購入したときの箱があるなら、そのまま使う
購入したときの箱がまだ残っているなら、基本的にはその箱を利用して保管するといいでしょう。
「もっと小さい箱にまとめたほうが場所を取らなくていいかな」
と思うこともありますが、無理に小さな箱へ詰め替える必要はありません。
購入時の箱は、その人形を収納することを考えて作られています。
きちんと収まる箱が残っているなら、そのまま活用するのが分かりやすいですね。
そして何より、
カビが生えてから落とすより、カビが生えにくい状態でしまっておくこと
が一番大切です。
まとめ
久しぶりに雛人形を出してカビやシミを見つけたら、びっくりしますよね。
「すぐに何とかしなきゃ」
と思ってしまいますが、雛人形はとても繊細です。
水やアルコール、洗剤、消しゴムなどを使って自己処理せず、まず購入店や人形修理の専門店へ相談するのが安心です。
家庭でできるのは、
- 羽根ばたきや柔らかい小筆でホコリをやさしく払う
- 顔や金具をできるだけ直接触らない
- 湿気や大きな寒暖差の少ない場所に収納する
- 人形専用防虫剤を一種類、説明書どおりに使う
- 晴れて乾燥した日に陰干しする
- 収納場所をときどき換気する
といった日頃のお手入れやカビ予防です。
「これ、自分で直せそうかな?」
と迷ったときほど、無理に触らないほうが安心です。
せっかく大切にしてきた雛人形ですから、傷めないことを第一に考えながら、お手入れしていきたいですね。


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