地方によっては、土地の氏神様と対面する儀式でもありますが、現代は赤ちゃんが無事に誕生したのを祝い、その子の健康と成長を祈って神社にお参りするのが「お宮参り」「初宮参り」です。
また、現代では考えられないことですが、お産を「けがれ」とし、母親のけがれを祓う忌明けの儀式で「忌み明けの祝い」とも言われ、地方では様々な意味を持っています。
初宮参りは通常男児は出産から31日目以降、女児は33日目以降に行われますが、
赤ちゃんが初めて外出する機会でもあり、特に決まりに従わなければならないというわけではなく、100日目にお参りをする地域もあり、それぞれの考え方に違いがありますのでますので、一応の目安と考えてよいでしょう。
お宮参りに参加するのは、赤ちゃんと、両親そして基本的に父親側のおばあちゃんです。現代では参加者は特にこだわらず、母親側のおじいちゃん、おばあちゃんも一緒に参加することも多くみられます。
お宮参り、赤ちゃんの服装は?
赤ちゃんの服装ですが、正式には「祝い着」となります。
春秋冬では、男児であれば、羽二重地の家紋入りで鷹やめでたい図柄などの「熨斗目模様(のしめもよう)」、女児であれば縮緬地(ちりめん)に花柄などをあしらった友禅模様、絵羽模様で家紋無しの祝い着が、お宮詣りの正装です。
7.8月の盛夏時のお宮参りには、やはりめでたい模様入りの「絽」の
祝い着となります。ただし冬用の祝い着は、襦袢は着物に付けたままにして用いますが、夏場の暑い時期ははずして、冬用の祝い着を用いる場合も多いです。
ですが、湿度の高い日本では、正装をした真夏のお宮参りは過酷ですし、生まれて間もない赤ちゃんのためにも、秋の少し涼しくなった頃にお宮参りをするのも、いいかもしれません。
祝い着はベビードレスを着た赤ちゃんの上からかけ、襟から伸びている紐を、抱っこしているおばあちゃんかおかあさんの肩から背中に伸ばして、ずり落ちないようにしっかり蝶結びにします。
最近はドレスにケープという洋装も見られるようになり、特にこだわらない傾向が見受けられます。
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お宮参り、母親の服装は?
正式なしきたりでは赤ちゃんが着物・和装の場合には、お母さんも色留袖や訪問着などの和服の正装が正式です。着物の格から言えば、冬は袷で夏は絽の色留袖→訪問着→色無地ですが、訪問着、色無地を着る方が多いでしょう、
ですが、あまりしきたりにこだわらなければ、赤ちゃんが和装でも、お母さんはワンピースやスーツでも問題ありません。
赤ちゃんが洋装の場合や母乳で授乳中の場合は、お母さんもスーツやワンピースなどの洋装がよいでしょう。
特に夏はあまりスケスケの素材のもの、肌が露出しているものは避けましょう。
赤ちゃんと共にお母さんも主役の一人ですから、あまり派手にならなければ、 授乳しやすい上下分かれたスーツか、前あきのブラウス、ワンピースで明るい色合いのものがお勧めです。
お宮参り、祖母の服装は? 夏と冬それぞれ
正式なしきたりから言えば、赤ちゃんが和装の場合は、おばあちゃんも和装の正装が正式となります。最近は正式とはいえ色留袖を着る方はほとんどいませんので、訪問着や色無地など略礼装でお参りする方が多くなっています。
洋装の場合はスーツ、ワンピースで、マナーとしては華美なものや、派手なアクセサリーは基本的につけません。フォーマル用としてパールのネックレスなどの装飾品はお勧めです。
夏冬とも和装も洋装も赤ちゃんを抱っこして、健康と無事な成長をお祈りするので、出来れば歩きやすい靴、草履などには気を配りたいところです。
特に気をつけたいマナーは、両家の祖父母、赤ちゃんの両親とも、装いを合わせるということです。正装なら両家で正装、略礼装などあまりちぐはぐにならないよう気配りも大切です。
ただしおばあちゃんが和装でも、お母さんはきちんとした洋装であれば最近は問題ないようです。
いずれにしても主役は赤ちゃんです。赤ちゃんの健やかな成長と無事を祈る儀式ですので、
以前は父方のおばあちゃんが、赤ちゃんを抱っこしている光景が多かったのですが、
両家の祖父母、両親が揃って赤ちゃんを祝福して、みんな幸せという形が一番良いのではないでしょうか。
ただしそれぞれの地域や、その家庭のしきたりもあるので、両家でよく話し合って、あとあと禍根を残さないよう気をつけたいものです。
まとめ
最近はお宮参りや七五三の際、写真スタジオで前撮りや当日撮りをする方も多くなりました。
子供専門の記念写真館もでき、赤ちゃん用の一回限りの正装などは、その写真館が当日無料で貸し出してくれるので、アルバム作成と、衣装のレンタルが出来る一石二鳥の方法も可能です。
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