お正月になると、家族で食べることの多い「おせち料理」。
でも子どもから、
「おせちって、なんでお正月に食べるの?」
「黒豆にはどんな意味があるの?」
「数の子って、どうしておせちに入っているの?」
なんて聞かれると、
「えーっと……縁起がいいから?」
くらいしか答えられないこともありますよね。
実は、おせち料理には一つひとつ、
「元気に過ごせますように」
「家族がこれからも栄えますように」
「今年も豊かな一年になりますように」
といった、新しい年への願いが込められています。
この記事では、おせち料理の由来から、黒豆・数の子・田作り・栗きんとんなど、それぞれの料理に込められた意味まで、子どもにもできるだけ分かりやすく紹介します。
難しい言葉には読み方や簡単な意味も添えているので、親子で一緒に読んでみてくださいね。
- そもそも「おせち」って何?
- 歳神様ってどんな神様?
- どうして重箱に入れるの?
- おせち料理の意味を一覧で見てみよう
- 田作りの意味|五穀豊穣
- 数の子の意味|子孫繁栄
- 黒豆の意味|健康
- たたきごぼうの意味|家族や家業がしっかり根付くように
- 「祝い肴三種」って何?
- かまぼこの意味|紅白と初日の出
- 伊達巻の意味|学問や知識
- 栗きんとんの意味|豊かな一年
- 紅白なますの意味|平和でおめでたい一年
- ちょろぎの意味|長寿
- 里芋の意味|子どもや家族に恵まれるように
- れんこんの意味|将来を見通せるように
- 昆布巻きの意味|よろこび
- えびの意味|長生き
- ぶりの意味|出世
- 鯛の意味|めでたい
- ほかにもこんなおせち料理があります
- どうしておせちは日持ちする料理が多いの?
- 今のおせちは楽しみ方もいろいろ
- まとめ|おせちは新しい一年への願いがつまった料理
- 参考情報
そもそも「おせち」って何?
「おせち」は漢字で、
御節(おせち)
と書きます。
もともとは、お正月だけの料理を表す言葉ではありませんでした。
昔の日本では、季節の節目となる日に神様へ食べ物をお供えする習慣があり、そのような節目に作る料理が「おせち」の始まりとされています。
やがて、1年の中でも特に大切なお正月に食べる料理を、主に「おせち料理」と呼ぶようになりました。
農林水産省でも、おせちはもともと歳神様(としがみさま)へのお供え物で、神様に供えたものを家族でいただくことで、福を招き、災いを遠ざけると考えられていたと紹介されています。
歳神様ってどんな神様?
歳神様は、お正月にそれぞれの家へやって来て、新しい年の幸せをもたらしてくれると考えられてきた神様です。
そのため、お正月には歳神様を迎え、お供え物をして新しい一年の幸せを願いました。
おせち料理にも、
五穀豊穣(ごこくほうじょう)
→ お米や作物がたくさんとれますように
無病息災(むびょうそくさい)
→ 病気をせず元気に過ごせますように
子孫繁栄(しそんはんえい)
→ 家族がこれからも続き、栄えますように
といった願いが込められています。
難しい四字熟語も、こうして簡単な言葉にすると子どもにも分かりやすいですね。
どうして重箱に入れるの?

おせち料理というと、四角い「重箱(じゅうばこ)」に入っているイメージがありますよね。
重箱には、
「福を重ねる」「めでたさを重ねる」
という意味が込められているとされています。
現在では、二段・三段・四段などいろいろな重箱がありますし、家庭によって入れる料理や詰め方もさまざまです。
ですので、
「おせちは絶対にこの形でなければいけない」
というものではありません。
おせち料理の意味を一覧で見てみよう

代表的なおせち料理と、そこに込められている願いを簡単にまとめると、このようになります。
| 料理 | 子ども向けに簡単にいうと |
|---|---|
| 黒豆 | 元気でまめに暮らせますように |
| 数の子 | 家族がこれからも栄えますように |
| 田作り | お米や作物がたくさんとれますように |
| たたきごぼう | 家族や家業がしっかり根付きますように |
| かまぼこ | 新しい年をおめでたく迎えられますように |
| 伊達巻 | 勉強や知識が身につきますように |
| 栗きんとん | 豊かな一年になりますように |
| 紅白なます | 平和でおめでたい一年になりますように |
| 里芋 | 子どもや家族に恵まれますように |
| れんこん | 将来をよく見通せますように |
| 昆布巻き | よろこびの多い一年になりますように |
| えび | 長生きできますように |
| ぶり | 仕事などで出世できますように |
| 鯛 | おめでたい一年になりますように |
ここから、それぞれの意味をもう少し詳しく見ていきましょう。
田作りの意味|五穀豊穣

田作り(たづくり)は、小さなイワシを甘辛く味付けした料理です。
昔、小イワシを田んぼの肥料として使ったことから、
五穀豊穣(ごこくほうじょう)
つまり、
「お米や作物がたくさんとれますように」
という願いを込めて食べられるようになったとされています。
田作りは「ごまめ」と呼ばれることもあります。
数の子の意味|子孫繁栄

数の子(かずのこ)は、ニシンという魚の卵です。
たくさんの卵が集まっていることから、
子孫繁栄(しそんはんえい)
つまり、
「家族がこれからも増えて、ずっと栄えていきますように」
という願いが込められています。
黒豆の意味|健康

黒豆には、「まめに暮らす」という言葉にかけて、
「今年も元気でまめに暮らせますように」
という願いが込められています。
「まめ」という言葉には、元気であることや、よく働くことなどの意味があります。
子どもには、
「今年も元気いっぱい過ごせますように、っていう意味なんだよ」
と説明すると分かりやすいですね。
たたきごぼうの意味|家族や家業がしっかり根付くように
ごぼうは、土の中へ長く根を伸ばして育ちます。
その様子から、
「家や家業がしっかり根付き、長く続きますように」
という願いが込められているとされています。
また、ごぼうをたたいて開くことから、
「運が開けますように」
という意味を持たせることもあります。
「祝い肴三種」って何?
おせち料理には、
祝い肴三種(いわいざかなさんしゅ)
と呼ばれる代表的な料理があります。
一般的には、
関東では、
黒豆・数の子・田作り
関西では、
たたきごぼう・数の子・田作り
とされることがあります。
ただし、おせち料理は地域や家庭によってかなり違います。
「絶対にこの3つを入れなければいけない」
というわけではありません。
地域ごとにおせち料理が違うのも、日本のお正月文化のおもしろいところですね。
かまぼこの意味|紅白と初日の出
紅白のかまぼこは、おせち料理ではおなじみですね。
半月のような形が、
「初日の出」
に似ているともいわれています。
また紅白は、お祝いごとによく使われる色です。
一般的に、
赤は喜びや魔除け
白は清らかさ
などを表すとされています。
伊達巻の意味|学問や知識
伊達巻(だてまき)は、卵などを使った甘い料理です。
くるくると巻かれた形が昔の書物や巻物に似ていることから、
「学問や知識が身につきますように」
という願いが込められているとされています。
勉強を頑張っている子どもには、
「勉強や知識がたくさん身につきますように、っていう意味もあるんだって」
と教えてあげると覚えやすいですね。
栗きんとんの意味|豊かな一年
栗きんとんの「きんとん」は、
金団
と書きます。
黄色や黄金色をしていることから、お金や財宝をイメージして、
「豊かな一年になりますように」
という願いが込められています。
黄金色を見ると、お正月らしい華やかさもありますね。
紅白なますの意味|平和でおめでたい一年
紅白なますは、大根とにんじんを細く切って酢で味付けした料理です。
白い大根と赤いにんじんで、
おめでたい紅白
を表しています。
また、細長い形をお祝いのときに使う「水引(みずひき)」に見立てたともいわれています。
「平和でおめでたい一年になりますように」
という願いが込められた料理です。
ちょろぎの意味|長寿
「ちょろぎ」は、おせち料理に使われることがある小さな食材です。
赤く染めて、黒豆と一緒に盛り付けられることもあります。
長寿を願う縁起物(えんぎもの)とされ、
「長生きできますように」
という願いを込めて食べられます。
里芋の意味|子どもや家族に恵まれるように
里芋(さといも)は、一つの親芋のまわりにたくさんの子芋ができます。
そのため、
「子どもや家族に恵まれますように」
という子孫繁栄の願いを込めて食べられる料理です。
れんこんの意味|将来を見通せるように
れんこんを切ると、たくさん穴が開いていますよね。
その穴の向こう側が見えることから、
「将来の見通しがよくなりますように」
という願いが込められています。
子どもには、
「先のことまでよく見えるように、っていう意味なんだよ」
と説明すると分かりやすいですね。
昆布巻きの意味|よろこび
昆布(こんぶ)は、
「よろこぶ」
という言葉につながることから、おめでたい食べ物とされてきました。
そのため昆布巻きには、
「よろこびの多い一年になりますように」
という願いが込められています。
長寿や子孫繁栄などの願いを込めることもあります。
えびの意味|長生き
えびは長いひげがあり、体が曲がっています。
その姿をお年寄りになった人に見立てて、
「腰が曲がるまで長生きできますように」
という長寿の願いが込められています。
ぶりの意味|出世
ぶりは、大きく成長するにつれて呼び名が変わる、
出世魚(しゅっせうお)
です。
そのため、
「仕事などで出世できますように」
という願いを込めて食べられます。
鯛の意味|めでたい
鯛(たい)は、
「めでたい」
という言葉にかけて、お祝いの席で昔からよく使われてきた魚です。
お正月にも、
「おめでたい一年になりますように」
という気持ちを込めて食べられています。
ほかにもこんなおせち料理があります
おせち料理には、このほかにもいろいろな縁起物があります。
例えば、
くわい
→ 芽が大きく伸びることから、出世や繁栄を願う
蛤(はまぐり)
→ おせちに入ることもあり、二枚の貝殻がぴったり合うことから夫婦円満を願う
錦玉子(にしきたまご)
→ 黄身と白身を金銀に見立て、華やかさや豊かさを願う
などがあります。
ただし、おせち料理は地域や家庭によって違います。
「うちのおせちには入っていない!」
という料理があっても、おかしくありません。
逆に、
「うちでは毎年これを入れるよ」
という、その家庭ならではのおせちがあるのも素敵ですね。
どうしておせちは日持ちする料理が多いの?
おせち料理には、煮物や酢の物など、比較的保存しやすい料理が多くあります。
これについては、
お正月にできるだけ煮炊きを控えるため
お正月くらい料理を作る人が休めるようにするため
などの意味もあったといわれています。
昔の記事などでは、
「主婦を休ませるため」
と説明されることもありますが、今なら、
「料理を作る人がお正月に少しゆっくりできるように」
と考える方が自然ですね。
今のおせちは楽しみ方もいろいろ
昔ながらのおせち料理を家庭で作る人もいれば、市販のおせちを利用する家庭もあります。
また現在では、
和風のおせち
洋風のおせち
中華風のおせち
子ども向けのおせち
など、本当にいろいろあります。
大切なのは、
「全部昔と同じ料理を入れなければいけない」
ということではありません。

家族で、
「この黒豆にはどんな意味があるんだろう?」
「れんこんって、穴があるから見通しがいいんだね」
なんて話しながら食べるだけでも、お正月の文化を知るきっかけになります。
まとめ|おせちは新しい一年への願いがつまった料理
おせち料理には、
ただ「お正月だから食べる」というだけではなく、
健康
長寿
子孫繁栄
豊作
豊かさ
出世
など、新しい一年が良い年になるようにという、たくさんの願いが込められています。
子どもに、
「なんでおせちを食べるの?」
と聞かれたら、
「新しい一年が幸せになりますように、って願いを込めた料理なんだよ」
と教えてあげると分かりやすいと思います。
そして実際におせちを食べながら、
「黒豆は元気に過ごせますように」
「数の子は家族が栄えますように」
「れんこんは先の見通しがよくなりますように」
と一つずつ確認してみると、子どもにも覚えやすいですね。
お正月は、おいしく食べるだけでなく、日本に昔から伝わる文化を親子で知る機会にしてみてはいかがでしょうか。
参考情報
この記事では、おせち料理の由来や食材に込められた意味について、農林水産省の食文化・食育資料を参考にしています。
→ おせちの由来、歳神様、重箱などの確認に使用
→ 黒豆・数の子・栗きんとんなど、子ども向けの説明の確認に使用
おせち料理の内容や意味には、地域・時代・家庭による違いがあります。
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