鍋料理をしようと土鍋を出したら、表面に細かいひびが入っていた。このまま使っていいのか、買い替えたほうがいいのか迷います。
結論から言うと、ひびの種類によって対応が変わります。表面だけの細かいひび(貫入)で、水漏れやにじみがある場合は、メーカーによって目止めという作業が案内されることがあります。一方、本体に入った亀裂や割れは、メーカーでも修理を受け付けていないことがあり、買い替えが基本です。
この記事では、次の4点をまとめました。
- 「貫入」と「本体の亀裂」の見分け方
- 貫入・水漏れへの対処方法(目止め)
- 買い替えを検討すべきサイン
- 新しい土鍋に目止めが必要かどうかは製品による
先に要点を表にすると、次の通りです。
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 表面に細かいひび(貫入)だけ、水漏れなし | 製品によっては使用上問題ないと案内される |
| 貫入があり、食材の汁がにじむ・水漏れする | メーカーによって目止め(おかゆなどを炊く)が案内される |
| 本体に亀裂・割れ・欠けがある | 使用を中止し、買い替えを検討 |
| 新しい土鍋 | 目止めが必要かは製品による。取扱説明書を確認 |
「貫入」と「本体の亀裂」の違い

土鍋の表面に、クモの巣のような細かいひびを見つけることがあります。これは「貫入」と呼ばれ、表面の釉薬(ゆうやく)にできるひびで、無印良品は使用上問題ないとしています。ただし、貫入から食材の汁がにじみ出たり、水漏れしたりする場合は、目止めを繰り返すことで対処できるとしています。
一方、土鍋の本体に入った亀裂や、欠け・割れは、表面の貫入とは別の問題です。土鍋メーカーの伊賀焼窯元・長谷園は、「ひびのある土鍋」をメンテナンス(修理)の対象外とし、買い替えやパーツ購入を案内しています。
つまり、「この記事を読めば、どんなひびでも家庭で直せる」わけではありません。見た目だけでは判断しにくい場合もあるので、次のような状態なら、まずメーカーや専門店に確認してください。
- 明らかな割れ・亀裂・変形・ぐらつきがある
- ひびが細かいものなのか、本体まで達しているものなのか、自分では判断できない
迷う場合は、無理に使い続けず、メーカーに確認するか、専門店に見てもらってください。
ひびが入る主な原因
土鍋のひびは、急冷・急な温度上昇・空焚き・濡れた底面での加熱・落下や衝撃など、複数の原因で起こります。土鍋メーカーのKINTOは、空焚きや急激な温度変化を、破損につながる使い方として注意を促しています。
- 空焚きをしてしまった
- 熱いまま冷水につけたり、冷たい場所に置いたりした
- 濡れた状態のまま火にかけた
次のことに気をつけると、ひびを防ぎやすくなります。
- 使う前は、鍋底の水分をしっかり拭き取る
- 空だきをしない
- 使った後は、急冷せず、自然に常温近くまで冷ましてから洗う
貫入・水漏れへの対処方法(目止め)

目止めは、土鍋の小さな穴やひびに、でんぷん質を入れて煮ることで塞ぐ作業です。食材の汁がにじむ、水漏れする、という場合に、繰り返し行うことで改善することがあります。あくまで表面の貫入や吸水によるにじみへの対処であり、本体の亀裂を接着して直すものではない点に注意してください。
おかゆで目止めする
無印良品は、鍋の8分目くらいまで水を入れ、水量の5分の1程度のご飯を入れて弱火で沸騰させ、そのまま数時間冷ましてから洗浄する方法を案内しています。
片栗粉・小麦粉で目止めする
メーカー指定の目止め方法がない場合に紹介されている方法の一例として、水8分目に対して片栗粉または小麦粉を適量入れてよくかき混ぜ、ふたをせずに弱火で煮る方法もあります。分量や時間は紹介元によって多少異なるので、手元の土鍋にメーカー指定の方法があれば、必ずそちらを優先してください。
出典:陶器のお手入れ・取り扱い方法|料理家 栗原はるみ レシピ・オンラインショップ【公式】ゆとりの空間
出典:土鍋の使い始めに欠かせない「目止め」とは?やり方をご紹介!|DELISH KITCHEN
目止めをするときの注意点
- 必ず弱火で行う
- 火を止めた後は自然に冷めるまで待つ(急に冷やすと、新たなひびの原因になる)
- 冷めたら中を水洗いし、内部までしっかり乾燥させてから片付ける(鍋底の水分も忘れずに)
無印良品のように、メーカーが水漏れ時の繰り返し目止めを案内している製品では、1回で終わらせず、何度か繰り返すと改善することがあります。それでも改善しない場合は、次の章を参考にしてください。
買い替えを検討すべきサイン

次のような状態は、目止めで対処する範囲を超えています。無理に使い続けず、メーカーへの確認や買い替えを検討してください。
- 本体に明らかな亀裂・割れ・欠けがある
- 変形やぐらつきなど、明らかな異常がある
- 目止めを何度か試しても、水漏れが止まらない
ひびから水が漏れる状態で加熱を続けると、破損がさらに進むおそれがあります。安全のためにも、迷ったら使用を控えてください。
新しい土鍋は目止めが必要?
「新しい土鍋は、使う前に必ず目止めをする」というのは、すべての製品に当てはまるわけではありません。
- 無印良品の土鍋など、吸水性のある素材でできた土鍋は、使い始めに目止めが案内されています。
- 一方、KINTOのKAKOMIシリーズのように、吸水をほとんどしない素材でできた土鍋は、メーカーが「目止めは不要」としています。
土鍋は製品ごとに材質・吸水率・取扱方法が異なるため、取扱説明書やメーカーの案内を最優先してください。目止めが必要な製品であれば、この記事で紹介したおかゆ・片栗粉の方法は参考例として使えますが、メーカー指定の方法があれば、そちらに従ってください。
よくある質問
IH対応の土鍋なら、目止めは不要ですか?
IH対応かどうかと、目止めが必要かどうかは、別の基準です。製品によって吸水性が異なるため、IH対応でも目止めが必要な製品、不要な製品の両方があります。お使いの土鍋の取扱説明書を確認してください。
目止めした後、すぐに使える?
目止めの作業の後は、内部までしっかり乾燥させてから使ってください。水分が残ったまま加熱すると、ひび割れの原因になることがあります。
表面に細かいひびがあるだけなら、何もしなくていい?
無印良品では、水漏れや食材の汁がにじむなどの問題がなければ、貫入自体は使用上問題ないとしています。ただし、これは一例であり、製品によって案内が異なることもあります。気になる場合や、にじみが出てきた場合は、目止めを試すか、メーカーに確認してください。
まとめ
土鍋のひびについて、押さえておきたいのは次の4点です。
- 表面だけの細かいひび(貫入)と、本体の亀裂・割れは別物。見た目で迷うならメーカーに確認する
- 貫入からの水漏れ・にじみには、メーカーによって目止め(おかゆや片栗粉を煮る)が対処方法として案内される
- 本体の亀裂・割れ・欠け、止まらない水漏れは、買い替えのサイン
- 新しい土鍋に目止めが必要かは製品による。取扱説明書を確認する
迷ったときは、無理に使い続けず、メーカーのサポートや取扱説明書を確認するのが安全です。
参考
- 土鍋のお手入れ方法|無印良品
- 土鍋の焼き直しメンテナンス|伊賀焼窯元長谷園【公式】
- お手入れガイド – 土鍋 -|KINTO
- 陶器のお手入れ・取り扱い方法|料理家 栗原はるみ レシピ・オンラインショップ【公式】ゆとりの空間
- 土鍋の使い始めに欠かせない「目止め」とは?やり方をご紹介!|DELISH KITCHEN


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